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バイオレットライトと近視の抑制!【効果はある?】

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世界の近視人口と近視進行抑制

2017年6月21日に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」によると、現在世界の人口は76億人2030年までに86億人、2050年に98億人(約100億人)に達すると予測されています。

50年前から近視人口は増加傾向にありますが、2020年あたりでも世界人口の30%にも満たない割合です。

ところが、今と同じ生活環境で増え続けると、2050年頃までに世界人口の半分(約50億人)は近視になると予測されています。(Brien Holden VISION INSTITUDE

この記事によると世界人口の10人に1人、つまり近視人口の5分の1に当たる10億人が失明のリスクがある近視になると予測します。

今回はそんな近視を抑制する効果があるかもしれない慶應義塾大学医学部眼科教室が発表したバイオレットライトについてお伝えします。

このバイオレットライトの研究論文を検討した結果、ヒトに対する近視進行の抑制効果があるとは言い難い内容でした。

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バイオレットライトとは?

バイオレットライトに着目

先ずは、簡単な経緯を説明します。

参照:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2016/12/26/161226_2.pdf

これまで屋外環境が近視の抑制に効果的のようだと複数の疫学研究や動物実験によって指摘されていた。

しかし、屋外環境の何が近視抑制に効果的なのかは分かっていなかった。

屋外環境に豊富にあるバイオレットライトに注目し研究した。

光は色によって波長が違います。


この波長の違いは物質を通り抜ける時の屈折力の違いとして現れます。

虹の原理は白色光(太陽光)が空気中の水滴の中を通り抜ける時に、7色の色が持っている屈折力の違いによってに分解されて見えると言うものです。


目に見える光の色はバイオレットでそれよりも短い波長は紫外線と言って目には見えない光になります。

目に見えるか見えないかと言うのは非常に微妙です。

慶應義塾大学医学部眼科教室ではバイオレットライト(紫色光)の波長を360〜400nmと定義していますが、

実は紫外線(見えない光の一部)の上限は一般的に400nmとされ、360~830nmぐらいを可視光(見える光)と呼ぶよう決められています。

詳細は関連記事もご覧ください🙂🙂

360〜400nmの光線というのは紫外線Aとも言える領域の色になります。

UVカットのメガネ、コンタクト、サングラスは概ね360〜400nmの有害とされる波長をカットしているのですが、今回の近視抑制に効果があるとされるバイオレットライトはこの360〜400nmだとされているのです。

最近、UVレジンと言う手芸が流行っていますが、樹脂を固める為に使う紫外線ライト(UVライト)の波長も360〜400位の波長の光が使われています。

バイオレットライトでヒヨコの近視抑制!

まずはヒヨコで実験された

実験近視モデルとして確立しているヒヨコを用いた。

バイオレットライトを浴びたヒヨコの近視が抑制された。

バイオレットライトを浴びたヒヨコの目で近視進行を抑制する遺伝子として知られるEGR1が上昇していた。

バイオレットライトが近視進行を抑制するメカニズムとしてEGR1に関与している可能性が明らかになった。

ここで言う実験近視モデルとは目の前にすりガラス又は近視用のレンズ(凹レンズ)を固定して近視を誘導させた動物です。

昔、目のいい人が(友達の)メガネをかけると目が悪くなるよって言われませんでしたか?

それは近視が誘導されるからやめなさいという意味です。

実験近視モデルのヒヨコを用いたということは、近視誘導の実験を行いながら、近視が抑制されるかどうかをさらに実験した、と言う事でしょうね。

実験では4つのパターンの目が存在します。(参照URLの図1)

近視誘導していない目にバイオレットライトを照射した目①としない目②、近視誘導した目にバイオレットライトを照射した目③としない目④の4つ。

近視誘導していない目ではバイオレットライトを照射してもしなくて違いはあまり無いですが、バイオレットライトが無い方の目はやや近視化しています。

そして近視誘導した目では近視誘導していない目よりも近視が誘発(約-1D)され、さらにバイオレットライトを照射していない目はバイオレットライトを照射した目と比べ物凄く近視化しています。

恐らく近視誘導された目は自然界に住むヒヨコではあり得ない近視(約-5D)だと思いますが、バイオレットライトが当たらないヒヨコの目は全く考えられないくらい近視化(約-15D)しています(いつ病気になってもおかしく無いくらいの近視)。

この実験を見る限り、ヒヨコにおいてバイオレットライトが抑制要因の全てでは無いが、かなり有効な因子であると言えると思います。

バイオレットコンタクトでヒトの近視抑制?

コンタクトレンズをつけたヒトで比較

コンタクトレンズを装用する13〜18才の学童を臨床試験で用いた。

バイオレット光透過性を使用する群と非透過性のレンズを使用する群に分けた

バイオレット光透過性のコンタクトを装用している群(116例116眼)ではバイオレット光非透過性のコンタクトを装用している群(31例31眼)と比べて有意に目の奥行きの変化が少なかった。

近視とは目の奥行きが伸びる軸性近視の事を言います。

屈折性近視と言うのもありますが、これは仮性近視の事で回復可能なものを言います。

つまり、目の奥行きが伸びる事を近視が進むと言うわけですが、バイオレットライト(バイオレット光)をカットしたコンタクトの方が近視の進み方が早かった、と言っているのです。

何年に渡り調査したのかは明らかにされていませんが、1年間で有意な差(0.05mm)があるとしています。

しかし、グラフは大きく見せすぎで、実際には僅かな差です。

なぜなら人の目の奥行きは1mm伸びると-3D近視が進みます。

と言う事は1D進むには0.33mm奥行きが伸びる必要があります。

このように対比させながら分割すると、約0.17Dで0.05mmの差になります。

「今回は近視が進んでいるから度数を一段階あげましょうか。」

と言う場合、度数は0.25Dアップします。

つまり0.17Dは近視の度数一段階にも満たない差です。

検眼レベルで「近視が進んでますね、一段階アップしましょうか」と言う検査員はまずいません。

更に言えば同じ度数の2つの群の学童は一年後、度数が上がっても同じ度数のコンタクトを使う事になるのです。

これを有意な差(偶然ではない差)と呼べない事は素人でも分かるのでは?

ヒヨコでは屈折力(図1)でヒトでは奥行き(図2)で結果を記すことは、バイアスをかけて見せていると言われても仕方ない事でしょう。

蛍光灯やLED照明の紫外線とバイオレット光

屋内と屋外のバイオレットライトの比較

屋内環境と屋外環境のバイオレットライト量を調査。

蛍光灯やLEDなどの照明にはバイオレットライトは含まれていなかった。

眼鏡や硝子(車内、オフィス、病院)などもUVカットに加えてバイオレットライトも含まれていなかった。

即ち現代社会ではバイオレットライトが欠如していて、世界的な近視拡大に関与している可能性がある。

ここまで頑張って読んでいただいた方ならお解りだと思いますが、ここで定義されているバイオレットライトの波長は有害とされている紫外線のギリギリのラインと重なっています。

外から室内に紫外線は入って来ますし、いくつかの蛍光灯からも紫外線は放射されていますが、体に影響があるかどうかは距離にもよります。

一般的には、身体に影響のないレベルと言われていることから、実際の生活範囲では紫外線はほとんど届いていない事がわかります。

つまり、そもそも360〜400nmの波長が溢れているとは思えません。

どのような測定方法かわからないので結果ありきの調査の疑いはのこります。

バイオレット光眼内レンズで近視抑制?

眼内レンズを用いて比較

近視矯正手術に用いる眼内レンズの近視進行に対する影響を調査。

手術対象者は強度近視の患者。

バイオレットライト透過性レンズ挿入眼(15例15眼)とバイオレットライト非透過性レンズ挿入眼(11例11眼)の群に分けた。

この2群の5年間の近視進行はバイオレットライト透過性レンズ挿入眼の方が有意に少なかった。

学童だけでなく強度近視の患者の近視を抑制する可能性がある。

参照:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2017/11/22/171122-1.pdf

近視矯正手術に用いる眼内レンズとはフェイキックIOLと言って指原莉乃さんが手術をして話題になった永久コンタクト(俗名)のことです。

詳細はこちらをご覧ください🙂🙂

簡単に言えば目の中にコンタクトレンズを入れる手術で近視を矯正することです。

まず、問題なのは術前の2群の患者は年齢、屈折値、眼軸長、裸眼視力、矯正視力などの背景に有意差がなくほぼ同じ背景だったとしています。

眼軸(奥行き)の平均を比べると

バイオレットライト透過性の患者:28.54mm

バイオレットライト非透過性の患者:28.13mm

良いですか、この平均値の差0.41mmを有意差が無い(偶然の差)と言っている事に注目し下さいね。

5年後の変化量は

バイオレットライト透過性の患者:0.09mm近視化した

バイオレットライト非透過性の患者:0.38mm近視化した

だから、バイオレットライト透過性の方が有意に抑制した(偶然ではない)と言っています。

でもよく見て下さい。その際は僅か0.29mmです。

術前の患者の目の奥行きの差0.41mmを有意差が無いと認識しておきながら、5年後の0.29mmの差を有意な差として認識しているのです。

こんな論理性を欠いた論文があっていいのでしょうか?

さらに言えば、術後の患者の皆さんにどのくらい近視が残っているか分から無いですし、どのような環境で生活したのかも不明です。

要するにヒヨコでは有意差が見られますが、ヒトにおいては有意差があるとは言えないと思います。

まとめ記事・眼鏡のJINSとバイオレット光

まとめ

長々と説明してきましたが、バイオレットライトがヒトの近視進行抑制に有意なのか分かりませんし、さらには今まで有害とされた波長をカットせずに透過させることが良いのかどうかもわかりません。

じつは、筆者はこのバイオレットライトの事を英語の記事で見かけたのですが、そのソースが日本の大学だと知り、大学のホームページにアクセスしました。

初めはざっと読んで、バイオレットライトについて色々調べていたらJINSと言う眼鏡屋さんでバイオレットライト透過性のレンズを扱っている事を知りました。

もし本当に近視抑制になるなら自分のメガネを買って家族や友達にも勧めようかと思いました。

そこで、あらためてよく検証してみた結果はお話した通りです。

誰にも検証されずに結論だけが世界中で一人歩きをしてしまっています。

バイオレットライト透過性のメガネの購入はしばらく保留になりました。

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1 thought on “バイオレットライトと近視の抑制!【効果はある?】

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