花粉症は花粉という異物に対して、それを排除しようと過剰な免疫反応が起こっていると言うことは知っている方も多いでしょう。
いわゆるアレルギー反応ですね。
免疫の反応という言葉から細菌やウィルスを想像する人もいると思います。
では、糖尿病や関節リウマチとも関係が深い事は知っていますか?
一見なんの関連性も無さそうな糖尿病や関節リウマチが花粉症とどの様な共通点があるのか分かりやすく解説したいと思います。
スポンサードリンク
免疫とは?
免疫って何?
免疫は疫から免れる=伝染病からまぬがれると言う意味があります。
つまり、伝染病の病原体が体内に侵入してもやっつけてしまう反応という事です。
これを抵抗力なんて言ったりもしますね。
我々の体は細菌やウィルスが体内に侵入した時に、マクロファージやナチュラルキラー細胞(NK細胞)が退治してくれます。
ヘルパーT細胞やマクロファージ、NK細胞は免疫細胞という白血球の仲間です。
膿(うみ)は白血球の死骸って聞いたことありませんか?
膿には細菌の死骸とともに特に好中球という白血球が多く含まれています。
免疫細胞とは白血球の事を言いいます。
血液検査で白血球が多いか少ないかを調べる項目がありますが、この免疫細胞の数を調べているのです。
白血球には単球、好酸球、好中球、好塩基球、リンパ球があります。
リンパ球が攻撃する対象とは?
なぜ全てリンパ球と関連するのか?
免疫細胞は一度侵入した異物を認識する様になっています。
抗体を作ると言いますよね。
抗体反応を担っているのがリンパ球と呼ばれるB細胞とT細胞です。
B細胞は抗体を作ります。
骨髄(Bone Marrow)で成熟します。
T細胞は骨髄で産まれたあとで、胸腺(Thymus)で敵と味方が判別できるように訓練を受けます。
BとTはそれぞれの頭文字が由来です。
鍵を握るのはT細胞。
step①マクロファージが「こんな奴が異物として入ってきたよ」とT細胞に教えます。(抗原提示)
step②T細胞はその情報を元にB細胞に武器である抗体を作らせます。
これが免疫システムの基本です。
元々はナイーブT細胞(Th0細胞)が抗原提示を受けて異なる役割を持った細胞へと分化します。
分化の際に、
細菌やウィルスならTh1細胞、
花粉やダニ、ホコリならTh2細胞、
へと変身する訳です。
抗体には大まかに5つ形があって、Th1とTh2はB細胞に違う形の抗体を作らせます。
そしてお互いを抑制しあって分化します。
なので、Th1への分化にはTh2の分化が邪魔になりその逆も然り、という事です。
これを分かりやすくイメージすれば、細菌が少なく花粉の多い環境ではTh2優位になってしまい花粉症になってしまうという事です。
T細胞は胸腺で自己と非自己の訓練を受けます。
なんらかの原因で自分の細胞が認識できずに自分の細胞を攻撃してしまい自己炎症を起こさせるTh17細胞の存在が2005年に確認されました。
これが膵臓を攻撃すると糖尿病1型を発症させ、関節を攻撃すると関節リウマチなどいわゆる自己免疫疾患に深く関わっていることが分かっています。
ちなみに糖尿病1型に関してはネットの上位には出てきませんが、筆者の持っている生化学の本には糖尿病1型の原因の一つとして記載があります。
アレルギー性結膜炎とは?
アレルギー性結膜炎のメカニズム
アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストなどのアレルゲンに対する免疫反応が目で起こる症状です。
肥満細胞(免疫細胞)の表面に抗体がくっついています。
その抗体に抗原(アレルゲン)が鍵穴と鍵の様にピッタリ合うと、肥満細胞からヒスタミンと呼ばれる痒みや充血の原因成分が放出されます。
結膜はまぶたの裏と白目の表面を覆っている膜で、まぶたの裏から白目はつながっています。
コンタクトがずれても目の奥に入ってしまう事は無いのです。
で、この結膜の炎症を結膜炎と言います。
白目の充血も瞼の裏の充血も結膜炎なのです。
結膜炎にはアレルギー性の他、細菌性やウィルス性のモノなどがあります。
因みに充血と間違いやすい症状に出血があります。
写真を比較すると一目瞭然。
上が充血、下が出血。
充血は血管拡張作用によりいわゆる目が血走っている状態です。
出血の場合は外傷以外では原因がはっきりせず、白目が真っ赤になっても放っておくしかありません。
積極的治療はないので、眼科に行っても時間と医療費の無駄です。
以前、市川海老蔵さんの暴行事件で、海老蔵さんが会見した時に目が赤くなっていました。
その時どのメディアも「目が充血」と言っていましたが、本当は出血です。
興味ある方は画像を検索してみてください。
花粉症の対策 とは?
花粉症に対する注意点
花粉症の人が気をつけるべきポイントとして以下の様な事を見かけます。
・睡眠不足
・ストレス
・運動不足
・アルコールの飲み過ぎ
・喫煙(タバコの煙)
つまり、これらを如何に取り除くかが花粉症対策になると言うわけです。
睡眠不足やストレス、運動不足が良くない理由として自律神経の乱れで免疫バランスが崩れると言う理由が挙げられています。
自律神経とは体内環境の調節など自分の意識でコントロールできない神経のことですね。
腕や足などの筋肉は自分の意識で動かすことができます。
でもよく考えてみて下さいね。
免疫バランスが崩れるという事はTh1が優位になるかTh2が優位になるかTh17が優位になるか見たいな話ですよ。
花粉症の人が自律神経を乱してTh2が優位になるのですか?
という事ですよね?
どうもしっくりこないと思うのは筆者だけでしょうか?
自律神経が乱れなければTh17に傾くこともあるんでしょうかね?
この様な注意すべき点を書いている記事には免疫バランスが崩れるとは書いてあってもその先どうなるとは書かれていないんですよ。
免疫力が落ちるからという理由も非常におかしい。
免疫の低下=Th2優勢ということにはなら無いでしょう。
免疫力の低下=Th1もTh2も低下ですよね?
多分、免疫システムの事よく知らないで書いているんでしょうね。
アルコールが良くない理由なんて理解不能ですよ。
アルコールの血管拡張作用が、充血を起こさせるとか。
ここまでは良しとしましょう。
おつまみとして高たんぱく、高脂質なものをとりすぎると免疫力が落ちるとか、それはアルコールがよくないんじゃ無くておつまみの食べ過ぎが良くないんでしょうって。
タバコの煙は鼻粘膜を直接刺激するのでは鼻詰まりを悪化させる、これは何と無く分かりますね。
結局のところ、清潔すぎる環境下(細菌やウィルスと言う言葉に異常に反応しながら)でハウスダストや花粉、ダニと共存していくのが良くないのではないかと思える今日この頃なのです。
この記事が良かったと思った方、画面に出ているSNSボタンで応援して頂けると嬉しいです😆😆😆
スポンサードリンク