インフルエンザ予防接種による予防効果は100%ではありません。
そればかりか、インフルエンザワクチンは全く効果がないと断言する専門家までいます。
その最たる理由の一つはA型は変異しやすいと言うものですが、予防接種してもインフルエンザに罹ったと言う人も大勢いるのではないでしょうか。
罹っても軽くすむと言う専門家もいますが、軽いってどの程度のことを言うのか知っていますか?
軽症、重症の定義もないまま重症化って言っているですよ!
また後で記載しますが、そもそも軽くすむかどうか調べようがないですよね?
よく考えて見てください。軽症どんなにデータを集めたとしてもインフルエンザに罹った人個人のワクチンを打った場合の症状と打たなかった場合の症状は比較ができないのですから。
予防接種が効くと言う正確なデータはありません。
真のデータ収集するためにすべき事を言います。
予防接種の経験から証明できる
それを踏まえた上で筆者の経験談をします。
筆者の子供は2010年〜11年のシーズンに向け予防接種を受けましたが、インフルエンザBと確定診断された経験があります。
頓服が切れると39度代まで熱があがり、下がっても38度台。同じ状況が3日続き、次第に頓服無しでも38度代、37度代と回復に向かいましたが、約1週間とても辛そうでした。39度台の熱は季節性インフルエンザの特徴そのものであり、はっきり言って軽くはありません。
ワクチンの接種完了は11月、インフルエンザに罹ったのは同じシーズンの3月でした。B型はA(H1N1)型、A(H3N2)型とともに毎年ワクチンに混合されていて、変異しにくいと言われるタイプにも拘らず、そんな状況です。
とてもワクチンが効いたと言う実感はありませんでした。
皆さんの中にもこの様な経験ありませんか?
重症化と言う側面からみれば、肺炎など見られませんでしたので、重症化に該当していないのかも知れません。
しかし、重症化の定義が肺炎だとしたら、肺炎にならない為にワクチンを打ったと言うことで、39度の熱なんか軽症だってことになりますよね?
しかもワクチンの接種をしたから重症化しなかったのだとは言えません。
すべては本人の免疫力の働き方次第と言えなくもないのです。
たとえ、ワクチンを接種したからインフルエンザの症状が軽かったと専門家が自身の体験談を語ったとしても、本人の免疫力の状態が良かったと言うだけのことかもしれないのです。
厳密な意味ではインフルエンザワクチンが効いたかどうか調べる術はないのです。
インフルエンザの症状が重症化しなかった人がワクチンを接種していたとしても、接種しなかった場合と比較する術がないからです。
データが示す曖昧さ
しかし、その事を皆さんが許容した上で、何かしらの調査は必要でしょう。
私たちは専門家を頼りにするしかない訳ですが、効果があるかのようにワクチンが勧められてはいるもののあんまりよいデータがありません。
ワクチンに賛成している専門家の具体的な見解も実は疑問だらけです。
インフルエンザの世紀(加地正郎著)によれば、
インフルエンザに罹ったひとのうち、ワクチンの接種をしておけば、発病せずにやりすごせていただろう確率は、70パーセントにものぼる
とあります。
70パーセントの根拠がどこにあるのか何処にも記載がありませんが、果たしてそんな事を統計出来るのかさえ疑問です。
ワクチン接種しておけば発病せずに済んだ人=ワクチンを接種しなかったが故にインフルエンザにかかった人ですよね。
ワクチンを接種しなかったからインフルエンザにかかったのだ、と言うためにはワクチンを接種したからインフルエンザにかからずに済んだ人を同時に証明しなければいけません。
ワクチンを接種したからインフルエンザにかからなかった、とどのように証明するのでしょう?
ハッキリ言って無理です。
ワクチンを接種しなかったからインフルエンザにかかった、と言う証明も出来ないでしょう。
『したから』とか『しなかったから』と言う証明はできませんが、次の事実確認はやろうと思えばできます。
ワクチンを接種したけどインフルエンザにかかった人、これは簡単にわかります。
ワクチンを接種せずにインフルエンザにかかった人とかからなかった人も調べられます。
真のデータ収集するためにすべき事
要するにインフルエンザに罹った人の中ではなく、まずワクチンを接種した人の中でワクチンが効いた人とワクチンが効かなかった人を調べればいいのです。
しかし、その統計調査をする為には「ワクチンを打った総数」と、「ワクチンを打ったがインフルエンザと確定診断された人の総数」が必要で、インフルエンザと確定診断された人に「ワクチンは打ちましたか?」と聞く必要があります。
大変な作業ですが、ワクチンを打った人の総数は病院で使用されたバイアルを数えればわかります。
しかし、「ワクチンを打ったがインフルエンザと確定診断された人の総数」を数えるのはもっと大変です。
インフルエンザの人が見逃されるケースや、普通感冒の人がインフルエンザと誤診されるケース、インフルエンザ疑い或いはインフルエンザ様症状とされ確定診断されないケースもあると思います。
確定診断して、ワクチンを打ったかどうか確認する作業が最低限必要ですから、診療に追われる医師の負担この上なく現段階で徹底出来ているのか疑問に思います。
是非調べてもらいたいですけどね。
そしてこのデータとワクチンを受けなかった人の中でインフルエンザにかかった人数をカウントして比較すればワクチンが効くのかどうかハッキリします。
例えば、ワクチン接種をしたのにインフルエンザにかかった人が3割いたとして、ワクチン接種をしていない人でインフルエンザにかかった人が3割ならワクチンが効いていないことになりますよね。
予防接種すれば、インフルエンザに罹っても軽い症状で済むと言う見解が根拠に乏しいすぎることは理解できますよね。
症状が軽い人は検査自体やらない、検査しても引っかかりにくい、またワクチンを打ったかどうか聞かれないでしょうし、ワクチンを打って症状が軽ければ尚更インフルエンザとは疑われにくい、などの状況も考えられます。
それなのに、重症化しないと言われているのです。
重症化しなかったことをどうやって証明したのか説明して欲しいですね。
データから偏りを読み解く
河岡義裕著のインフルエンザ危機にも
健康な成人が不活化ワクチンを接種した場合、予想が的中してそのシーズンのインフルエンザウィルスの型と一致すれば、七◯%以上の発病予防効果が得られる
とあります。
おそらく先に紹介した70%の話と元ネタは同じなのでしょう。
素直な方へのお願いがあります。
「ワクチンの効果は70%」なんて人に言わないで下さいね。
よく見て欲しいのです。
「健康な成人」って書いてありますよね。
健康な成人ってどう言う意味でしょうか?
免疫力には個人差があることを覚えていますか?
そうです、健康な成人は免疫力が高いのです。
ただ単に、免疫力で乗り越えた人のパーセンテージを示唆しているだけかも知れません。
子供や健康でないお年寄りが入っていないと言うことは、バイアスのかかった(偏りのある)データを見せびらかしているに過ぎないのです。
また、「型と一致すれば」とも書いてあります。
そもそも型と一致する確率は分かっているのでしょうか。
仮に確率が明らかであったとして、型の一致とは単なるABCの事なのか(であれば、サブタイプはなんでもいいと言う意味になる)、それともサブタイプの一致なのか(だとしたらアミノ酸配列はなんでもいいと言う意味になる)、アミノ酸配列も全く同じでなくてはいけないのか(型と言う表現になるのか)等、細かい条件を紹介しなければ誤解の元です。
インフルエンザの熱の特徴は38度以上とあるので、37度台の熱に対してインフルエンザの検査をしましょうと言う医師がどのくらいいるのでしょう。
仮に関節痛や筋肉痛の訴えでもあれば、疑いを持つ医師も中にはいるかもしれませんが、軽い症状で全身症状がでるかどうか疑問です。
軽い症状の人は確定診断されにくいにも拘らず、いろんな専門家がワクチンを打っておけば、インフルエンザに罹ったても軽くすむと口を揃えるのは、単なるワクチンを信じたいと言う信仰にも似た気持ちがあるからとしか思えないのです。
次回に続く、