風邪と抗生物質の関係
風邪と抗生物質
抗生物質は風邪には効かない
と言う事をご存知ない方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
看護師でさえ知らない人がいるのです。
看護学校の時、微生物の授業で習った筈なのですが、、
何故風邪に効かないかと言うと、風邪の9割以上はウィルス感染症であり細菌感染症ではないからです。
ウィルスと細菌は全くの別ものです。
では、何故細菌にしか効果を示さない抗生物質をウィルス感染症の患者さんに処方するのでしょうか?
風邪を引いた患者さんは抵抗力が弱いので感染しても普段ならなんでもないような細菌にまでやられてしまう恐れがあると考えられているので、抗生物質が処方されるのです。
特にウィルスに感染した細胞は細菌が住み着きやすい環境になります。
免疫力と抵抗力の違い
免疫力と抵抗力
免疫力と抵抗力は意味も使われ方も同じです。
ただどちらかと言えば、免疫力はミクロ(専門的)、抵抗力(非専門的)はマクロなニュアンスの違いがあります。
自然免疫を抵抗力、獲得免疫を免疫力と説明する記事もありますがナンセンスです。
「自然免疫」には「免疫」と言う立派な名前が付いているのに免疫力から外して違う名前をつけるのは言語道断でしょう。
免疫力とは疫(疾病)から免れる力の事ですから自然免疫も免疫力なのです。
抗生物質も含め、咳を止めたり、鼻水を止めたり、痛みや炎症を和らげたり、風邪薬はウィルス感染症にとっては対処療法でしかなく、自分の免疫力で回復するしかありません。
一般的に風邪が治ったと言う場合、薬を服用したからではなく、自分自身の免疫細胞の力で治したのです。
2014年にアウトブレイクしたエボラ出血熱もウィルスが原因で、ワクチンも治療薬もないと言われていますが、それでも回復する人がいたと言うのはウィルスに対して個人の免疫力が勝ったからに他なりません。
また、ウィルスに負けてしまう人と勝つ人がいると言う事は、感染力が違う場合もありますが、免疫力に個人差があると言うことでもあるので、是非ご記憶にとどめておいて下さい。
細菌とウィルスの違い
今更聞けない細菌とウィルスの違い
ではウィルスと細菌では何処が違うのでしょうか?
私達は普段身体に取り入れたものを代謝と言う生体内の化学反応を利用してエネルギーの合成を行います。
つまり、それは生命維持につながる活動なのです。
細菌も自らが代謝をする生物です。
ところが、ウィルスは自分では代謝が出来ず、他の生物を宿主とし、細胞内に入り込み、その宿主の代謝機能を乗っ取って生存を可能にしている非生物なのです。
しかし、細胞なら何でも良い訳ではなく、乗っ取りが可能な細胞はウィルスによって違います。
だから、ウィルスによって宿主側に現れる症状が違うのです。
「ウィルスと各臓器の細胞」は「鍵と鍵穴」の関係になっていて、形が合わないと細胞内に侵入できません。
これを特異的と言い、特異的なレセプターが細胞に存在するのです。
この体内にあるウィルスレセプターつまり鍵穴の話を知った時、なんでわざわざウィルスの為に鍵穴を準備しているのか不思議で仕方ありませんでした。
そう思いませんか?
我々の体内にレセプターがなければ、ウィルスは生きていけない訳ですし、私達もウィルス感染症とは無縁なはずですから実に不思議です。
何故だと思いますか?
答えはシンプルです。
「本来は別の用途で宿主の為に機能している鍵穴をウィルスが勝手に拝借している」
と言う事なのです。
何故ウィルスが鍵を持っているのかは神のみぞ知る次元の問いであり、非常に哲学的です。
しかし、ウィルスと宿主はそのような関係で共存してきた訳です。
細菌の大きさは1ミリより小さな単位マイクロメートルで表します。1マイクロメートルは1000分の1ミリです。
ウィルスの大きさは1マイクロメートルより小さなナノメートルで表します。ナノメートルは1000分の1マイクロメートルです。
比較対象にもよりますが100倍大きさが異なります。
160cmの人と同じ大きさのウィルスがいるとしたら、東京タワーの半分くらいの高さの細菌がいる様な感じですね。
ちなみにウィルスには抗生物質ではなく抗ウィルス薬を使います。
抗インフルエンザ薬のタミフルなどがありますね。
風邪に効く抗ウィルス薬はありません。
免疫力(抵抗力)を高めるには
効果的な予防とは?
免疫力、つまり抵抗力が弱くなる時ってどんな時だと思います?
経験的に分かる方も多いと思いすが、精神的な疲れ(ストレス)や肉体的な疲れがある時に抵抗力は弱くなります。
ストレスや体の疲れを回復させる事が免疫力を維持する為には必要です。
例えば、良質な睡眠や栄養バランスの良い食事、規則正しい生活です。
さらに免疫力(抵抗力)を高めるには「笑う事」で、ストレス発散効果があります。
もし好きなお笑い番組があれば積極的に観る事をお勧めします。
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