コンタクトレンズ、ケア用品のおすすめ
基礎編では洗浄と消毒の考え方についてお話しました。
前回の汚れ対策のターゲットは油汚れでした。
今回ケア用品のおすすめ第4弾のターゲットはミネラルです。
タンパク除去が出来るとタンパク分解酵素はイコールではないので注意をして下さい。
成分と作用機序が解れば成分表を見て判断出来るようになります。
金属封鎖剤と洗剤
金属封鎖剤って何?
洗浄には界面活性剤以外にも金属封鎖剤というのが配合されています。
カルシウム、マグネシウム、鉄などのいわゆる「ミネラル分」は金属元素と呼ばれています。
金属元素を封じ込めるといった意味から金属封鎖剤と呼ばれます。
逆に非金属元素と呼ばれる物には酸素や水素、窒素などがあります。
タンパク質が絡まって頑固なタンパク汚れを形成する時にタンパク同士をつなぐのがカルシウムイオンです。
金属封鎖剤はこのカルシウムイオンを取り除くことでタンパク質の除去効果を手助けしてくれるとうワケです。
よって、成分表にタンパク分解酵素の記載なくタンパク質除去が出来ると書かれている場合は金属封鎖剤だと思って構いません。
主な目的はミネラルの分解除去です。
タンパク質分解酵素の働きとは全く違いますので注意して下さい。
カルシウムイオンはプラス、金属封鎖剤はマイナスの電荷を帯びています。
ハードレンズのケア用品には「金属封鎖剤」の記載はなく、ソフトレンズのケア用品には成分名の記載が見られます。
調べたわけではないので断言は出来ませんが、常識に照らし合わせると記載がなくても金属封鎖剤は配合されていると考えられます。
またミネラル分は涙に由来するものと水道水に由来するものがありますが、配合されていない場合、固形物の付着したハードレンズが多いはずだと言う筆者の経験値にも寄ります。
固形物の付着は実際には非常にまれです。
ハードレンズは水道水を使うため「水道水由来」の汚れが付着しやすいことは理解頂けると思います。
ソフトレンズは水道水を使わないので水道水由来はないだろうと思わないで下さい。
ソフトレンズにも「水道水由来」はちゃんと存在します。
それはレンズケースに残っているミネラル分です。
レンズケースは水道水で洗いますよね。
自然乾燥させたときに残ったミネラル分にも作用するように金属封鎖剤は配合されているのです。
キレートレモンに含まれるクエン酸やEDTAもキレート剤!
ちなみにこの金属封鎖剤は、別名「キレート剤」とも呼ばれています。
キレートレモンと言えば、レモンに含まれるクエン酸を思い浮かべる方も多いのでは?
キレートはギリシャ語の「蟹のハサミ」が由来で金属イオンをハサミ込むというのが語源です。
コンタクトレンズのケア用品にはキレート剤が配合されているわけですが、その成分を以下に記載します。
クエン酸
EDTA ; エデト酸塩、エデト酸ナトリウムも同じ物
リン酸
ハイドラネート
これらには緩衝剤や抗酸化剤の役割を担っているものもありますが、全部金属封鎖の役目(キレート効果)を持って配合されます。
基本的に界面活性剤の働きを助ける役目もあり、界面活性剤が入っているものには添付されていると思っていいです。
と言うことは必然的にこすり洗いが必要ですね。
まとめ
・ミネラルの汚れをターゲットにした成分が金属封鎖剤。
・キレートとも言う。
・タンパク質除去出来ると書いてある場合があるが、タンパク質分解酵素とは全く違う。
・界面活性剤の入った物には通常配合されている。
・以下の成分はキレート剤。
クエン酸
EDTA
エデト酸塩
エデト酸ナトリウム
リン酸
ハイドラネート
如何ですか?
違いが分かってくると面白いですね。
次回はタンパク質分解酵素のメカニズムとキレート剤の違いを解説します。
次回に続く、