目は酸素を必要としない呼吸しない組織だった
目の酸素神話はずっと前に崩壊している
一般常識では目が酸素を必要とすると言われています。
これは目の中でも角膜と言うコンタクトで覆われる角膜と言う場所のことで、角膜自ら呼吸をしていると言われています。
酸素不足はコンタクトレンズユーザーにはデメリットとして知られています。
筆写も眼科でコンタクトを扱っていましたから、目が酸素を必要とする、と散々説明しましたし、なんの疑いもなく信じていました。
しかし実際には角膜は呼吸をしていなかったのです。
していないどころかしたくても出来ません。
つまり、目が酸素不足になることは起こりえない現象なのです。
信じられないかもしれませんが、常識は正解と同義ではありません。
この事を何回かに渡ってシリーズで詳細を述べます。
コンタクトレンズの初期はPMMAと言う酸素を通さない素材で、強角膜レンズ(角鞏膜レンズ)と言う角膜からはみ出る大きなレンズにはじまり、やがて角膜は呼吸をしている、だから酸素が必要だと言うことで、コンタクトレンズが酸素を供給しやすいよう改良され、呼吸困難にならないよう啓発されてきました。
ですからこれが真実であれば、これまでの常識が間違いと言うことになり、私たちの知っている角膜のイメージを覆すはです。
では何故これまで、目が呼吸していると信じられてきたか説明します。
紫外線が目に障害を与えるため酸素を消去するように機能する
紫外線と酸素で活性酸素が発生する
端的に言えば、酸素を吸収し二酸化炭素を排出すると言う現象が実験の中から確かめられていて、酸素供給に不利なコンタクトをすることによって目に障害が起こることも確認されていたので、角膜に必要な酸素が少ないからそれらの障害が起こるのだと結論づけられてきたからです。
また、角膜は透明性を維持するために血管がないので直接酸素を大気中から取り入れる為だとも言われています。(酸素不足になると内皮細胞が死んでしまうとも)
酸素が消えて、二酸化炭素が出てくれば、当然の結論だったのかもしれません。
ところが、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する現象は一見呼吸のようだけど、呼吸とは別のものだと説明したのが、生化学者の鍔井敏夫(つばいとしお)先生です。
鍔井先生は角膜が老化しないのは何故かと言う視点から眼表面生化学を大阪大学医学部などで30年にわたり研究され、角膜は酸素を必要としていないどころか、
酸素を消去している
ことを実験により証明されています。
人が老いていくのは細胞が酸化していくからです。
細胞膜にある脂質は紫外線と酸素の影響により過酸化脂質になります。
紫外線は無害な酸素を有害な活性酸素に作り変えてしまうからです。
しかし、角膜は身体の他臓器よりも格段に紫外線や酸素に曝されているにも拘らず、過酸化脂質が格段に少ないのです。
つまり角膜は老化しないのです。
考えてみて下さい。
水晶体は老化で濁るのに角膜は濁らないのは何故か?
鍔井先生は、角膜には紫外線を吸収する物質や過酸化脂質を脂質に戻す物質があること、そして酸素を消去するシステムがある事を突き止めています。
このヒト角膜における酸素吸収システムを実験するには、本来であればよりヒトに近い代謝方法をもつウシの眼を利用するべきでしたが、動物の中でも極めて特異な代謝をもつ夜行性ウサギの眼を利用してきたことが原因の一つだとしています。
現在でも眼科専門医はウサギ角膜をモデルとし、目は呼吸をしていると言う姿勢を崩していません。
ウサギ角膜とヒト角膜(やウシ角膜)ではどのように違うのか、また低酸素状態によって起こるとされる障害の原因の真相は何なのか、鍔井先生の論文から紹介します。
因みに、これから載せる記事は鍔井先生を探し出し先生の許可を得てまた先生の監修の元書いた文章です。
尚、鍔井先生と鍔井先生を探す協力をして下さった方達にはこの場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
角膜の謎、鍔井先生のブログで詳しく解ります!
次回に続く、
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